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ティエラAIR ICと20ティエラICの違いは?全品番を照合したら9割同じだった

リール

はじめに

2024年に登場したティエラAIR IC。カタログを眺めていて、ふと思いました。

「これ、20ティエラICとかなり近いのでは?」

巻取り長76cm、ギア比8.1、自重165g、最大ドラグ力4.5kg。主要スペックはほぼ同じです。そこで、ダイワ公式のパーツ検索システムで両機のパーツリストを取り寄せ、全パーツの品番をひとつずつ照合してみました。品番が同じなら、それは物理的に同じ部品。メーカーの公式データだけで「何が変わって、何がそのままなのか」がはっきり分かる、というわけです。

なお、筆者は実際にこのティエラAIR ICを購入して使っていました。結局は左巻きが手に馴染まず手放してしまったのですが(その顛末はこちらのレビュー記事にまとめています)、両機を実際に手にしたからこそ「中身は本当に同じなのか?」を確かめたくなった、というのが本音です。

今回くらべたモデル

  • 20ティエラ IC 105XH(製品コード 00621039 / 2020年発売 / 税込51,700円)
  • ティエラ AIR IC 100XH(製品コード 00631560 / 2024年発売 / 税込54,890円)

スペック比較

項目20ティエラ IC 105XHティエラ AIR IC 100XH
巻取り長さ(cm/ハンドル1回転)7676
ギア比8.18.1
自重(g)165165
最大ドラグ力(kg)4.54.5
標準巻糸量 PE(号-m)0.6-200 / 0.8-1200.6-200 / 0.8-120 / 1-100
ハンドル長さ(mm)100110
ベアリング(ボール/ローラー)6/16/1

数字上の違いは、巻糸量にPE1号-100mの表記が加わった点と、ハンドルが10mm長くなった点くらい。ここに加えて大きいのが、AIRはHYPERDRIVE DESIGN(ハイパードライブデザイン)搭載を謳っていることです。

ちなみに20ティエラICシリーズは少しややこしくて、当時の公式ページには「HYPERDRIVEデザイン対応は100, 100L, 100H, 100HLのみ」と注記がありました。つまり2021年に追加された4機種(ギア比6.3/7.1・110mmハンドル)は対応、2020年発売の初期4機種(100XH/100XHL/105XH/105XHL)は非対応という扱いです。今回比較する105XHは「非対応」側のモデル。この「設計思想の違い」が中身にどれだけ反映されているのかも、品番から確かめていきます。

パーツリストの掲載点数はそれぞれ105点ほど。これを1点ずつ照合しました。

先に結論:ギアの品番は同じでした

結論からお伝えすると、「ピニオン+ドライブギアセット」は両機とも同一品番(6Z025383・税込7,920円)。ギアそのものは完全に共通でした。

駆動系まわりを見ていっても、

  • ウォームギア(6J281001)
  • ギアシャフト(6J912101)
  • ピニオンシャフト(6J198801)
  • レベルワインドやウォームシャフトギア
  • 各部のボールベアリング類

このあたりはすべて同じ品番です。

ここで気になるのがHYPERDRIVE DESIGNとの関係です。105XHは公式に「HYPERDRIVEデザイン非対応」とされていたモデル。一方のAIRは「ハイパードライブデジギア」搭載を謳うモデルです。ところが、両者のギアセットの品番は同一。つまりXH系のギアは2020年の時点で、後にハイパードライブデジギアと呼ばれるものと同じ(少なくとも部品としては同一の)ギアだった、と品番からは読み取れます。「AIRになってギアが一新された」わけではない、というのははっきり言える事実です。

なお、HYPERDRIVE DESIGNはギアだけでなく、ハイパーダブルサポート(ピニオン両端の2BB支持)やハイパータフクラッチ(絶縁構造のクラッチ)などを含む設計思想の総称です。後述するワンウェイクラッチなどの変更が、この「デザイン」への対応に関わっている可能性があります。

集計結果は次のとおり。

判定パーツ数
同一品番91点
品番が異なる15点
105XHのみ1点(マニュアル)
AIRのみ3点

およそ9割が共通部品。ティエラAIR ICは、20ティエラICを土台にした堅実なブラッシュアップモデルと言えそうです。

では何が違うのか?品番が変わった15点をチェック

1. スプールまわり(今回の変更の主役)

  • スプール:6J968001(¥4,290) → 6M567401(¥4,950)
  • AIRのみ追加:スプールシャフトOリング(6H770601)

品番の頭が「6M」に変わっており、明確な新設計です。AIRはベイトフィネス機に採用されている「糸ガミ軽減スプール」を搭載しているとされており、この品番変更はまさにそれ。スペック表にPE1号-100mの表記が加わったこととも符合します。さらにスプールシャフトOリングが新規追加されていて、細かな改良が入っていることが分かります。

2. フレーム・外装まわり

  • フレーム:6J911801(¥2,530) → 6J911701(¥3,080)
  • そのほかLSプレート、RSプレート、フロントカバー、ICモジュールカバー、クラッチレバー、メカニカルブレーキノブ

外装系は品番が変わっているものが多めです。ただ、よく見ると末尾の枝番だけ違うものが目立ちます。たとえばRSプレートは「6J911506→6J911509」、フロントカバーは「6J913501→6J913502」。ベース設計は共通で、カラーリング変更に伴う品番違いの可能性が高そうです。実際、両機はボディカラーが異なります。

3. ICモジュール(カウンター部分)

  • ICモジュール:6J803502(¥10,340) → 6J803504(¥10,780)

こちらも枝番違い。リール内で最も高価なパーツで、表示やソフトウェア面の更新が入っている可能性があります。

4. 機構部品の変更点

  • ワンウェイクラッチ:6J540401 → 6G819801
  • ドラグワッシャー:6H359001(¥880) → 6M929701「1枚入り」(¥1,320)
  • ウォームシャフト:6J912601 → 6M567301
  • ドライブカラーピン:6J566201 → 6J055201

数少ない「中身」の変更です。ワンウェイクラッチ(逆転防止のローラーベアリング)とドラグワッシャーは、巻き感やドラグの効き心地に関わる部分。HYPERDRIVE DESIGNのうち「ハイパーダブルサポート」「ハイパータフクラッチ」に対応する変更は、このあたりに表れていると考えられます。乗り換えを検討している方は押さえておきたいポイントです。

5. ハンドル

  • ハンドル:6J913901(¥9,460・100mm) → 6M570701(¥10,670・110mm)
  • ハンドルナットも変更:6G793320 → 6G793309

スペック表のとおり、ハンドル長が100mm→110mmに延長されました。一方で、ハンドルノブ自体(6H834201)は共通です。

まとめ:AIRは「ギア据え置き、スプールと使い勝手を磨いた改良版」

  • ギア・駆動系の品番は20ティエラIC 105XHと完全に共通。HYPERDRIVE DESIGNを謳うAIRですが、ギア単体で見れば「非対応」とされていた105XHと同じものです
  • 変わったのはスプール(糸ガミ軽減タイプ+Oリング追加)、フレーム、ワンウェイクラッチ、ドラグワッシャー、ハンドル長(100→110mm)
  • 外装の品番違いは枝番レベルが多く、カラー変更の範囲と思われます

「AIR」という名前から軽量化を想像しますが、自重は165gで据え置き。実態は、基本設計を維持しながらスプールまわりとハンドルを丁寧に改良したモデル、というのが品番から見えてくる姿でした。

20ティエラICユーザーが急いで買い替えるほどの差はなさそうですが、これから購入するなら、糸ガミ対策などの改良が入ったAIRを選ぶのが素直だと思います。パーツの約9割が共通というのは、補修部品の面でも長く付き合ううえで安心材料ですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※品番・価格はダイワ公式パーツ検索システム(スポーツライフプラネッツ)2026年7月2日時点の情報です。仕様・価格は変更される場合があります。

出典

  • ダイワパーツ検索システム 20TIERRA IC 105XH:sl-planets.co.jp
  • ダイワパーツ検索システム ティエラ AIR IC 100XH:sl-planets.co.jp
  • DAIWA ティエラ AIR IC 製品ページ:daiwa.com
  • DAIWA ティエラ IC 旧製品ページ(2022年5月時点・Internet Archive):Internet Archive

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