ハンドル長について意外と深く考える機会って少ないと思います。私自身、「見た目が好きじゃない」という理由だけで、ハイギアもローギアも半径55mm(全長110mm)のダブルハンドルを使い続けてきました。でも先日の釣行で、ハイギア側を半径65mmのシングルハンドルに変えてみたところ、これが思いのほか具合が良くて。今回はその気づきをきっかけに、ギア比とハンドル長の関係を少し整理してみようと思います。
使っているリールについて
私がタイラバで使っているのは、ローギアに21カルカッタコンクエスト100、ハイギアに21カルカッタコンクエスト100HG(30HG)です。スプールが異なるだけで、ボディは基本的に同じ設計です。
| 100(ローギア) | 100HG(ハイギア) | |
|---|---|---|
| ギア比 | 5.6 | 7.4 |
| 最大巻上長 | 58cm/回転 | 77cm/回転 |
| ハンドル長(半径) | 55mm | 65mm |
巻き上げ長が1回転あたり19cmも違うのに、同じハンドル長ではしんどいはずです。
ハンドル長と「梃子の原理」
ハンドルを回す動作は、物理的には梃子(てこ)と同じ原理が働いています。支点(ハンドルシャフトの中心)から力点(ハンドルノブ)までの距離、つまりハンドル半径が長いほど、同じ力でより大きな回転力(トルク)が生まれます。逆に言うと、ハンドルが短いと、同じトルクを出すためにより大きな力が必要になります。
ハイギアがきつくなる理由
ギア比が高いリール(ハイギア)は、ハンドル1回転で多くのラインを巻き取れる反面、1回転あたりにかかる負荷が集中しやすいという特性があります。タイラバの場合、水深50〜100m前後をひたすら一定速度で巻き続ける釣りです。ハイギアだと巻き上げ量が多い分、潮流や鯛ラバ自体の水抵抗をより強く感じながら巻き続けることになります。これが長時間釣行での疲労感につながるわけです。
半径65mmにしてわかったこと

今回の釣行でハイギア側を半径65mmのシングルハンドルに変えてみました。結果として感じたのは、同じ速度で巻いているのに、手への負担が明らかに減ったということです。
約16%長くなったハンドル半径が、てこの原理によって巻き負荷を軽減してくれます。数字で見ると大したことがないように思えますが、水深80mを何十回も往復する釣りでは、この差が後半の疲れ方にじわじわと効いてきます。「ハンドルを変えるだけで、こんなに変わるのか」と正直驚きました。
EP40グリップで、アタリのミスが減った

ハンドルと同時に、ノブもリブレのEP40(大きめのラウンドグリップ)に変えました。タイラバはアタリが繊細なぶん、食い込ませるために巻き続けることが大事です。以前は食い込みの瞬間に手がノブからズレてしまうことがあったのですが、EP40に変えてからしっかり握り続けられるようになりました。グリップが大きくて手にしっかりフィットするので、アタリがあっても慌てずそのまま巻き続けられます。ミスが明らかに減りました。
SBシリーズのバランサーウエイトについて

リブレSBシリーズには、取り外し可能なバランサーウエイトが付属しています。このバランサーを装着するとハンドルの慣性が増し、一定速度を維持しやすくなります。一方で取り外すと軽快な巻き心地になります。自分はバランサーを外した状態で使っていますが、重めのヘッドを使う深場ではバランサーを付けて慣性を活かすという使い方もアリです。クランク130のようなダブルハンドルが一般的に推奨されるのも、この慣性の効果が大きい理由のひとつです。自分に合ったセッティングを試してみてください。
まとめ:ギア比に合わせてハンドル長を選ぶという考え方
今回の釣行での気づきをまとめるとこうなります。
- ローギア(5.6)× 半径55mm → 負荷が小さいのでこのままで十分
- ハイギア(7.4)× 半径65mm → 巻き負荷をハンドル長で補うことで疲労を軽減
- ノブをEP40に → アタリでも手が離れず、ミスが減る
つまり、ローギアはもともと巻きトルクが十分にある設計なので、ハンドルを長くしてトルクを稼ぐ必要がありません。むしろ回転半径を大きくしすぎると、一定リズムでスムーズに巻き続けにくくなるという問題が出てきます。回転半径が小さいほうがハンドルを回す動きがコンパクトにまとまり、タイラバに必要な一定速度の巻きを維持しやすいのです。ローギアでは55mmのまま変えなかったのはこれが理由で、見た目の好みも含めてロングハンドルにする理由が一つもありませんでした。

ただし一点補足しておくと、タイラバ全般でおすすめのハンドルはダブルハンドルのクランク130やクランク140です。ダブルハンドル重量バランスがよく、慣性が働くため、一定速度の巻きを維持しやすいというメリットがあります。自分がシングルを選んでいるのは純粋に見た目の好みからで、釣りの効率を優先するならダブルハンドルのほうが理にかなっています。
リール選びの話になると、ギア比やドラグ性能はよく語られますが、ハンドル長との組み合わせまで掘り下げて考えている人は意外と少ないと思います。もしハイギアリールで疲れを感じているなら、ハンドル交換は試す価値があります。大掛かりな改造ではなく、安いハンドルでは数千円の投資で釣りの快適さが変わるかもしれません。


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