はじめに
小学5年生の息子が、初めて釣りに挑戦することになりました。用意したタックルは、ダイワのブレイゾン591LB(ロッド)と20アルファスSV TW(ギア比7.1)。そう、初めての釣りなのに、スピニングではなくいきなりベイトタックルです。
「初心者にはスピニング」が定番とされる中で、なぜあえてベイトから始めさせたのか。ロッド選びで直面した「短いライトアクションのベイトロッドが現行品にない問題」、そして中古で揃えた実際のタックルとスペック、新品で揃える場合のおすすめ構成まで紹介します。
初めての釣りなのに、なぜスピニングではなくベイトなのか
昔の常識なら、初心者にベイトリールは完全にNGでした。ブレーキ設定とサミングを覚えるまで、ひたすらバックラッシュと格闘するのがベイトの入り口だったからです。
でも、現代のベイトリールは事情が違います。今回選んだ20アルファスSV TWに搭載されているSVスプールは、ブレーキ性能が大きく進化していて、飛距離が十分に出るブレーキ設定のままでも、着水時にサミングがほぼ不要なレベルまで糸浮きを抑えてくれます。「投げる→着水→巻く」だけで釣りが成立してしまうんです。
一方でスピニングは、ベールを起こして、人差し指でラインを押さえて、キャストと同時に指を離す──という一連の動作が実は初心者には難しく、タイミングを外せばルアーは真下か明後日の方向へ。糸ヨレなどのライントラブルも地味にストレスです。
つまり「SVスプール搭載の現代ベイトなら、スピニングより簡単に扱えるのでは?」というのが私の考えでした。クラッチを切って親指を離すだけのベイトのキャストは、動作としてはむしろシンプル。小5の息子でも大丈夫だろうと判断して、ベイトデビューを選びました。
ロッドの条件は「6ft以下×ライトアクション」
子供用のロッドに求めた条件は2つ。
まず長さは6ft以下であること。大人でも6ft6inあたりが標準の中、小5の体格で長いロッドは振り抜けません。取り回しを考えると5.5ft〜6ftがベストと考えました。
そしてライトアクションであること。これはキャストのしやすさのためです。硬いロッドで飛ばそうとすると腕力頼みのキャストになりますが、柔らかいライトアクションならロッドの曲がり(しなり)を使って、ルアーの重みを乗せて投げる感覚が身につきやすい。子供の力でも、ロッドが仕事をしてくれます。
ところが、現行品で「6ft以下×L」はほぼ選択肢がない
この条件で現行モデルを探してみた結果がこちらです。
| モデル | 長さ/パワー | ルアー重量 | 自重 | 実売価格 |
|---|---|---|---|---|
| ダイワ ブラックレーベルSG 551LRB | 5’5″ / L | 1.8~11g | 93g | 3万円台 |
| シマノ スコーピオン 15101F-5 | 5’10” / パワー1(L~ML相当) | 5~20g | 115g | 3万円前後 |
| シマノ バスワンXT+ 156ML-2 | 5’6″ / ML | 5~15g | 107g | 8,000円台 |
| シマノ ゾディアス 150ML-2 | 5’0″ / ML | ― | ― | 1万円台半ば |
Lパワーで条件ど真ん中なのはブラックレーベルSG 551LRBですが、高級機なので子供のデビュー用に3万円台は勇気がいります。1万円台以下のエントリークラスに目を向けると、Lパワーは全滅。ただしMLまで許容するならバスワンXT+ 156ML-2が実売8,000円台であり、シマノ自ら「曲げやすくするためのML設定」「ジュニアに最適」と謳う好モデルです。新品にこだわるならこれが有力候補でしょう。
それでも私は「子供の力でしっかり曲がるL」にこだわりたかったので、探す先を中古に切り替え、たどり着いたのが2019年モデルのブレイゾン591LBでした。
ロッド:ダイワ ブレイゾン 591LB(2019年モデル・中古)
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 全長 | 1.75m(5ft9in) |
| 継数 | 1本(ワンピース) |
| ルアー重量 | 1.8~11g(1/16~3/8oz) |
| 適合ライン | 5~12lb |
| 素材 | 高密度HVFカーボン |
| 発売時価格 | 1万円台半ば |
メーカーの位置づけは「軽量・小型プラグを狙ったスポットに送り込むテクニカルプラッギングロッド」。5ft9inのライトアクションで、探していた条件そのもの。ブラックレーベルSG 551LRBとルアー重量・適合ラインがまったく同じ守備範囲なのもポイントです。
取り回しが良く、子供が構えても竿先が地面を叩かない。ライトパワーなので小型クランクやスピナーベイトの「巻いてる感」も伝わりやすい。ワンピースなので継ぎ目のトラブルもありません。11gまで投げられるので、大人が借りて遊んでも普通に楽しいスペックです。
リール:ダイワ 20アルファス SV TW(ギア比7.1・中古)
2020年発売、小径φ32mmスプールにSVコンセプトとTWS(Tウイングシステム)を搭載したコンパクトベイトリール。ギア比7.1はモデル名でいうと800H(左ハンドルなら800HL)です。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| ギア比 | 7.1 |
| 巻取り長さ | 71cm/ハンドル1回転 |
| 自重 | 175g |
| 最大ドラグ力 | 4.5kg |
| 標準糸巻量 | 12lb 45~90m/14lb 40~80m |
| スプール | φ32mm |
| ベアリング | 7/1 |
| 発売時価格 | 実売2万円台半ば |
自重175gと軽く、小径スプールでボディもコンパクト。手の小さい子供でもしっかりパーミングできます。ギア比7.1(巻取り71cm)は巻きモノにはやや速めですが、子供はルアー回収が遅くなりがちなので、テンポ良く釣りができるハイギアはむしろ好都合でした。
そして最大の購入理由は、冒頭に書いたとおりSVスプールのブレーキ性能。飛距離が出る設定のままサミングいらずで着水まで持っていけるので、「ベイト=バックラッシュ地獄」という昔のイメージとは別物です。
中古でいくらで揃った?
予算は2万円以内と決めていました。結果がこちらです。
| アイテム | 新品実売(当時) | 購入価格 |
|---|---|---|
| ブレイゾン591LB(中古) | 1万円台半ば | 5,600円 |
| 20アルファスSV TW(中古) | 2万円台半ば | 9,800円 |
| 合計 | ― | 15,400円 |
合計15,400円と、予算内にしっかり収まりました。アルファスは外観に傷がありますが、回転・クラッチ・ブレーキとも動作はまったく問題なし。リールは「傷あり・動作良好」を狙うと一気に安くなるので、中古選びの狙い目です。
ロッドのデメリットを挙げるなら、ワンピース(1本継)なので持ち運びが少し大変なこと。車への積み込みは工夫が要ります。それでも継ぎ目のないキャストフィールと5,600円という価格を考えれば、いい買い物ができたと思っています。浮いた予算はライン・ルアー・子供用ライフジャケットに回せました。
新品で揃えるなら?おすすめの組み合わせ3パターン
私は中古でうまく揃えられましたが、「中古はコンディションを見極める自信がない」という方のために、新品で組む場合の考え方とおすすめ構成も紹介します。
先にお金のかけどころを言ってしまうと、ロッドは安く、リールは少しいいものをが私のおすすめです。
理由はシンプルで、子供用の短いロッドは身長が伸びたら買い替えの可能性が高いから。小5で5’6″がちょうど良くても、中学生になれば6’6″クラスが普通に振れるようになります。一方でリールは体格に関係なく使い続けられるうえ、タトゥーラSV TWクラスの性能があれば子供のデビュー機からステップアップ後の一軍まで、ずっと現役。ロッドは消耗品、リールは資産と考えると、予算配分は自然とリール寄りになります。
①コスパ重視:バスワンXT+ 156ML-2 × シマノ SLX DC(約2.5~3万円)
新品で予算を抑えるならこれ。ロッドはシマノが「ロッド全体を曲げやすくするためのMLパワー」「ジュニア層に最適」と謳うバスワンXT+ 156ML-2(5’6″・ML・実売8,000円台)。リールのSLX DCは、スプールの回転を読み取ってブレーキを自動制御してくれるDCブレーキ搭載機が実売2万円前後で買える驚異のコスパ機です。SVスプールとはアプローチが違いますが、「バックラッシュを機械が防いでくれる」という意味で初心者への効果は同じ方向。ブレーキダイヤルが4段階しかないので、設定で迷わないのも子供向きです。
②★イチオシ:バスワンXT+ 156ML-2 × ダイワ タトゥーラSV TW(約3万円)
この記事で紹介したアルファスと同じSVスプールの使用感を新品で、という場合はタトゥーラSV TWが最有力。実売2万円前後で、スモラバからビッグベイトまでトラブルレスに扱える懐の深さが持ち味です。25年モデルは「安価で上位機スティーズSVと実釣性能が同等」と評されるほどの完成度。ロッド8,000円台+リール2万円前後という配分は、まさに「ロッドは安く、リールは良いものを」の実践形です。
③長く使える本格派:ブラックレーベルSG 551LRB × アルファスSV TW(約6万円)
予算に糸目をつけないなら、現行唯一の「6ft以下×Lパワー」であるブラックレーベルSG 551LRB(5’5″・L・自重93g)に、新品のアルファスSV TWを合わせる構成。ルアー重量1.8~11g・ライン5~12lbと、今回のブレイゾン591LBとまったく同じ守備範囲です。子供が成長してからも一軍で使い続けられるタックルなので、「親子で共用する前提」なら実は無駄のない投資かもしれません。
まとめ:短いライトロッド×SVリールは、子供のベイトデビューの正解
現行品に存在しない「6ft以下×ライトアクション」のベイトロッドは、型落ちモデルの中古で狙うのが現実解。そこにバックラッシュに強いSVスプールのリールを合わせれば、初めての釣りがベイトでも十分成立します。
私の場合はロッド5,600円+リール9,800円の合計15,400円。新品でも中古でも、リールに比重を置くのが失敗しない予算配分です。子供と一緒に巻きモノ、始めてみませんか。


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